3 Jun 2012

トルコという国について



トルコでの生活も1年と2か月が経ち、この国の色々な特性も見えてきました。

世界観光機関のデータによると、2010年の外国人訪問者ランキングでは7位にランクイン(ちなみにトップ3はフランス、米国、中国)。
日本人にとっても観光地として人気であり、訪れた人は皆良い印象を持って帰るのではないでしょうか。

しかし、旅行者にはなかなか見えづらいトルコの側面もたくさんあります。日本や他国と比べ、いくつか際立っている点を挙げてみます。

①家族の絆が強い
欧米や日本に比べ、家族・親族との繋がりが強く特別な理由がない限り子供は結婚するまで実家暮らしが多いです。(宗教や伝統的価値観に基づき、婚前の同棲を良しとしない家庭も多い)
職場から(特に緊急の用事がなくとも))親に電話をすることは日常茶飯事。
息子のデート中に母親が電話で「夜ご飯どうするの?」なんて聞いてきてもマザコンだなんて思っちゃいけません。
それくらい、家族のコミュニケーションが密なのです。

②とにかくやじうま
男女関わらず、おしゃべりやゴシップ、噂話が大好きなトルコ人。
女性陣は誰が誰と別れた・誰の新居の家具はどうだった・あのドラマの展開はこうなるはず等々、一日中お喋りに花が咲きます。
男性もビジネス・プライベート関わらず、チャイを片手に話し出したら止まりません。

これはやじうま根性、というか他人に対する好奇心がとても強いからだと思います。
例えば、初対面の人に「給料はいくら?」と聞かれることや、タクシーの運転手に「結婚してる?」と聞かれることはしょっちゅうです。
また、若いアジア人女性というだけで街中でジロジロ凝視されることなんて毎日です。

日本では例えば黒人の方が電車に乗っていてパッと見ることはあるかと思いますが、そのあとジーっと見るのは失礼にあたるかと思います。
しかし、トルコ人は自分の好奇心を隠すということを知らず(笑)、毎日近くを通る店の店員でさえ、私が通ると火星人到来!かのような顔でこちらを見てきます。それくらい、アジア人女性という異質なものに対する興味があるのでしょう。。

③誰にでも話しかける
日本で外国人が一人地図を手に持ち周りをきょろきょろ見ていたら声を掛けるでしょうか?言葉の問題もあり、あまり自分から声を掛ける人は少ないと思います。
しかし、トルコでは確実に誰かが話し掛けてきます。英語が分からなくったって、トルコ語でなんとか助けようと色々教えてくれます。
同じように、知らない人どうし何かを尋ねたり教え合うのはとても一般的。
例えば、家電量販店でおじさんに「このポット、白と黒どっちがいいかな?」なんて聞かれることもあります。(何とも答えづらいですが…)

日本で知らない人にいきなり話しかけたらギョッとされることが多いのではないでしょうか?
この助け合いの精神は、個人主義が進んだ先進諸国にとってはとても興味深いと思います。

************************************************************

以上のような特性を総合すると、トルコ人はラテン気質に韓国人の要素が入ったようなイメージではないでしょうか。

他国に比べればスリやぼったくりも少なく、人々もフレンドリー(時におせっかい)なトルコ人。
時代と共にイスラム的な慣習・価値観がかなり薄れつつあるようですが、今後10年、20年で更に国としての国際的地位が上昇する過程で彼らがどのように変わっていくのか、非常に楽しみです。