25 Mar 2012

「The Cove」

2009年にアメリカで公開されたドキュメンタリー映画、The Cove
和歌山県太地町で年間2万頭以上ものイルカが捕獲されている事実を衝撃的な映像と共に暴いた本作は、サンダンス映画祭観客賞、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞など数々の賞を受賞。一方で、本作の表現方法は多くの波紋を呼び日本での公開にも関係者より抗議が寄せられたとのこと。



以下、本作にて提示されたイルカ漁の是非について思うこと。

・日本人の多くがイルカ漁が現在でも行われている事実を知らない。町関係者が主張するようにイルカ漁が伝統文化に基づいたものであるならば、それは尊重されるべきであり日本人として周知すべきことだと思う。
・また感情的な理由からイルカ漁のみを禁止すべきとの主張には賛成できない。牛や馬や豚、その他魚も全て命ある生物であり、イルカだけが例外と見做されるべきではない。(個人的にはイルカが好きだし食べたいとも思わないけれど、それは他人が食べることを阻止する理由にはならない。)
・一方で、本作中で指摘されているようにイルカ肉の水銀値が水俣病のように人体に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、きちんと検査の上表示されるべきである。
・またイルカ肉がクジラ肉であると偽って販売されている疑惑についても、政府はDNA鑑定を行うべき。

その他に衝撃的だったのが、水族館や映画撮影に起用されるイルカ達が鬱病を患い、自殺するものまでいるという事実。その理由は音に敏感なイルカが観客の騒音や浄水器の音にストレスを感じるため。

これは、動物園や水族館など人間が一方的に娯楽を求めた結果の虐待とも言えるのではないでしょうか。弱肉強食の社会で全ての人間がベジタリアンになるべきとは思いませんが、日々動物から栄養を得ていることに感謝し、出来る限り彼らの存在に配慮した共存の形を追求すべきだと思います。