31 Mar 2012

兵役とPink Certificate

Podcastで聞けるBBCのドキュメンタリーで、トルコのPink Certificateに関する内容がありました(こちら)。

現在、トルコでは20歳以上の成人男性は各人のバックグランドに応じた兵役義務が課せられます。例えば、大学を卒業していない人は最長15か月、4年制大学を卒業していれば最長12か月。友人の話によると、その内容は兵役という名からはかけ離れたオフィスワークから、実際クルド人によるテロが頻発しているトルコ東部での従事など様々。最近ではある一定額を払えば兵役を免除されるという法案も出ており、論争の的となっています。

そんな中、Pink Certificateというホモセクシュアルの証明書を提出すれば、兵役が免除されるという記事を見つけました。
トルコではホモセクシュアルは増加傾向にあるようですが(確かに手を繋いでる男性同士をたまに見かける。ただの友達かもしれないけれど…)、きちんとした法は整備されていないのが現状。実際Pink Certificateを発行するに当たり、どうそれを証明するのか?はプライバシーに引っかかる問題になっているそう。以下、記事より抜粋。

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''They asked me when I first had anal intercourse, oral sex, what sort of toys I played with as a child."
Ahmet, a young man in his 20s, told officials he was gay at the first opportunity after he was called up, as he and other conscripts underwent a health check.
"They asked me if I liked football, whether I wore woman's clothes or used woman's perfume," he says.
''I had a few days' beard and I am a masculine guy - they told me I didn't look like a normal gay man.''
He was then asked to provide a picture of himself dressed as a woman.

''I refused this request,'' he says. ''But I made them another offer, which they accepted.'' Instead he gave them a photograph of himself kissing another man.

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''They asked me if I had any photographs.'' Gokhan says, ''And I did.''
He had gone prepared with explicit photographs of himself having sex with another man, having heard that it would be impossible to get out of military service without them.
''The face must be visible,'' says Gokhan. ''And the photos must show you as the passive partner.''

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上記の通り、個人のプライバシーを曝け出すことは、本人にとって心地よいものではないし、家族関係やひいては職場関係にも影響します。なぜなら多くの国内企業では兵役に従事したか否かを採用時に確認するからです。


トルコは未だイスラムの価値観+伝統的な通念が強く残っており、法律制定によるホモセクシュアルの社会的容認にはまだまだ時間がかかるように感じます。社会の少数派は時として既存の制度から押し出されてしまいがちですが、トルコが先進国としてみなされるためには、経済成長だけでなく社会の構成員が少しでも生きやすい制度を整えることが必要だと思います。

「めまい」

サスペンス映画の神様(と言われているらしい)、アルフレッド・ヒッチコックによる「めまい」を鑑賞。




内容は、同僚を死なせてしまったショックで高所恐怖症になった元刑事が、不審な行動をする妻の調査を友人より依頼され、尾行を重ねるうちにその妻と恋に落ちるも彼女は自殺し、自責の念に駆られる彼の前にその妻とそっくりの女性が現れ…というもの。


ラブ・ストーリーがベースになっていますが、ストーリーの流れはサスペンスの要素が強く、結末はさすがヒッチコックという感じで、最後まで観る者を飽きさせない内容でした。

25 Mar 2012

「The Cove」

2009年にアメリカで公開されたドキュメンタリー映画、The Cove
和歌山県太地町で年間2万頭以上ものイルカが捕獲されている事実を衝撃的な映像と共に暴いた本作は、サンダンス映画祭観客賞、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞など数々の賞を受賞。一方で、本作の表現方法は多くの波紋を呼び日本での公開にも関係者より抗議が寄せられたとのこと。



以下、本作にて提示されたイルカ漁の是非について思うこと。

・日本人の多くがイルカ漁が現在でも行われている事実を知らない。町関係者が主張するようにイルカ漁が伝統文化に基づいたものであるならば、それは尊重されるべきであり日本人として周知すべきことだと思う。
・また感情的な理由からイルカ漁のみを禁止すべきとの主張には賛成できない。牛や馬や豚、その他魚も全て命ある生物であり、イルカだけが例外と見做されるべきではない。(個人的にはイルカが好きだし食べたいとも思わないけれど、それは他人が食べることを阻止する理由にはならない。)
・一方で、本作中で指摘されているようにイルカ肉の水銀値が水俣病のように人体に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、きちんと検査の上表示されるべきである。
・またイルカ肉がクジラ肉であると偽って販売されている疑惑についても、政府はDNA鑑定を行うべき。

その他に衝撃的だったのが、水族館や映画撮影に起用されるイルカ達が鬱病を患い、自殺するものまでいるという事実。その理由は音に敏感なイルカが観客の騒音や浄水器の音にストレスを感じるため。

これは、動物園や水族館など人間が一方的に娯楽を求めた結果の虐待とも言えるのではないでしょうか。弱肉強食の社会で全ての人間がベジタリアンになるべきとは思いませんが、日々動物から栄養を得ていることに感謝し、出来る限り彼らの存在に配慮した共存の形を追求すべきだと思います。

 

22 Mar 2012

Success


“Success” by Ralph Waldo Emerson
(成功とは)

To laugh often and much;
(たくさん笑うこと)
To win the respect of intelligent people
and the affection of children;
(できる人から尊敬され、子供に愛されること)
To earn the appreciation of honest critics
and endure the betrayal of false friends;
(誠実な批評家から賞賛を得、見せかけの友人の裏切りに耐えること)
To appreciate beauty, to find the best in others;
(美しさを愛で、他人の美点を見つけること)
To leave the world a bit better, whether by a healthy child,
a garden patch or a redeemed social condition;
(ほんの少しでも世界を良いものにすること、
例えば健康な子供を産み、庭の整備をし、社会の状況を改善すること)
To know even one life has breathed easier because you have lived.
(自分の存在により、少しでも救われる人がいると知ること)
This is to have succeeded.
(それが人生における成功ってもんだ)

21 Mar 2012

振り子

Facebookでたまたま友人が載せていた動画。
1,000枚以上のパラパラ漫画らしい。

本当すごいなぁ…感動。
ちなみにこれ外国人にも分かるかな?試してみよう。

17 Mar 2012

憂うこと

なんで人は戦争なんかしなくちゃならないんだろう…嵐だの洪水だの地震だの噴火だの津波だの飢饉だの癌だの痔だの累進課税だの神経痛だのとこれだけ多くの災難が人生に充ちているというのに、どうしてその上戦争まで起こさなくちゃならんのだ?ー村上春樹『遠い太鼓』

本当にそう思う。

トルコに来てから、エジプトの革命、オサマ・ビンラディンの殺害、その他たくさんの騒乱、暴動、革命、デモ等々、人々が傷つけ合うような出来事がたくさん起きている。シリアの混乱は今でも続いており、毎日目を覆いたくなる様なシーンが流れている。

もちろん、これまでも同じようなことは数えきれないくらい起きてきたのだろうけど、島国であり言葉の壁のある日本では世界の反対側で起きていることがいまいち実感できなかった。
でも、トルコに来て、日本よりも大胆な報道をする海外メディアに触れ、実際にシリアやイラク出身の友人に出会い、あぁ本当に日本はよくも悪くも平和ボケしているなぁと思った。

もっともっと、人々が協力して立ち向かうべき問題は沢山あるというのに、国や宗教や民族や考え方の違いを原因に同じ人間同士が争いあっている現実は本当に悲しい。

みんな本質は同じはずなのにな。

15 Mar 2012

グローバル?

3月14日付中央日報の記事


サムスンの採用試験に47カ国の外国人700人



“サムスンによると、先週締め切った大卒新入社員採用試験受付に47カ国の外国人およそ700人が志願した。昨年の500人より40%多い過去最多。国籍は中国が200人で最も多く、米国とカナダが各100人で後に続いた。イエメン、ネパール、ナイジェリア、スーダン、グアテマラ出身の志願者もいた。サムスンの関係者は「グローバル企業の地位にふさわしく新入社員の採用でもグローバル化が進んでいる」と説明した。 ”

これを読むとサムスンは本当のサムスンは“本当の意味で”グローバル化してきている。その理由は、多様な人材を確保しないと、英語をマスターしないと、国内市場にだけ目を向けていたら生き残れないから。それを切実に実感しているからだと思う。


翻って日本はどうだろう?
先日読んだ東洋経済のグローバルな会社ランキングではなぜか当商社が一位になっていた(グローバルの定義が不明だけれど)。
うちの会社は、確かに他の商社に比べ積極的に若手を海外に出し、語学や現地でのトレーニングを経験させてくれている。でも、思うに、日本人を2~3年海外に出して外国語を習得させるよりも、そもそもその言語ができる外国人を雇った方がよっぽど楽だしコストもかからないはず。
それをやらない(やれない)理由の1つは、単にマネジメント層が日本人しか信用していない、もしくは日本人しか育てることができないからだと思う。外国人の部下なんか来たら、たぶんみんなあたふたしちゃって仕事にならないと思う。英語ですら満足にできないんだから。


もう1つの理由は、その必要性を切に感じていないから。日本国内にも確かに優秀(と考えられている大学を出ただけで優秀とみなされるような)人材が今のところはいるし、わざわざ苦労してまで現状を変える必要がないと思っているから。だって、会社や部の方針を決める人々は数年で結果が出る事しかやりたがらないからね。


でも、いつまでも現実から目を背けてはいられないと思う。日本政府は少子化対策なんてこれっぽっちも進めてないし、外国人や女性を活用する方法さえ分かってない。このままだと、ほんとーに、新興国にも追い抜かれ、経済も政治もいまいちの中進国になっちゃう気がする。

8 Mar 2012

Women's Day

3月8日は国際女性デー、らしいです。
ということで、The Economistより女性にとって働きやすい国ランキングが発表されていました。

こちらは教育の機会や労働環境など、29の指数を基に128ヶ国を順位付けしたもの。上位はやはり北欧が占めています。日本は25位。




一方、The Guardianでは女性の政界進出の状況を各国比で表しています。



データの集計によると、驚くべきことに下院に占める女性議員の割合が一番多い国はルワンダ(56.3%)。2位アンドラ公国、3位キューバ、4位スウェーデンと続きます。(アンドラはスペインとフランスに挟まれた小国家らしいです)

官民の違いに関わらず、いかに女性を活用するか、即ち女性が働きやすい環境を創設するかは、どの国にとってもまだまだ大きな課題だと思います。

5 Mar 2012

「Little Miss Sunshine」

2006年公開、第79階アカデミー賞で脚本賞・助演男優獲得したLittle Miss Sunshineを鑑賞。




内容は、ひょんなことから娘がミス・コンテストに参加することになり、個性的な一家がその道中で絆を取り戻していくというもの。
家族は、「勝ち組」にこだわる父親、ニーチェの影響で一言も口を利かない空軍志望の息子、ヘロイン中毒で老人ホームを追い出された祖父、生徒に振られて自殺未遂を起こしたプルースト学者でゲイの叔父、家族の世話に手を焼く母親、とちょっとぽっちゃり気味の娘の6人。

それぞれが悩みや問題を抱えつつも、道中で協力し合い娘の夢を叶えるために前進していくという内容。

ありがちと言えばそれまでで、特段あっと言わせるような展開はないものの、家族の大切や挑戦することの意義などなど、心温まる内容と共に人生にとって重要なレッスンを再認識させてくれる映画でした。

4 Mar 2012

人生を幸せにする3つの“A”

Neil Pasricha氏によるTED動画、「1000 Awesome things」(最高の出来事1000個)が素晴らしかったのでご紹介します。

彼は平凡で幸せだった自分の身に起こった度重なる不運(離婚、友人の自殺など)をきっかけに、あらゆる物事を悲観的に捉えるようになってしまいます。そこで、日々の小さな幸せを綴る1000 Awesome Thingsというブログを始めます。
その内容は、例えば「今日が木曜だと思っていたのに金曜だと気付いた時」や「レジの最後尾に並んでいたのに別のレジが開き一番に並べた時」などなど、本当に些細なものばかり。しかし、その一つ一つの出来事を記し、感謝の気持ちを持つことで人生を前向きに捉えられるようになります。
彼のブログは徐々に人気を博し、2009、2010年連続でWebby Award賞を受賞。書籍として出版もされています。

人生には沢山の幸せな瞬間がある一方で、誰しも苦難や不運などネガティブな出来事に直面することがあるもの。そこで彼は人生を楽観的に捉えるための3つの"A"を紹介しています。

①Attitude(前向きな姿勢)
困難な状況に陥った際、人は2種類の対応を取ります。悲観し続けるか、それとも気持ちを切り替え未来に向けて前進するか。勿論後者を取ることが重要。
②Awareness(気付く心)
誰でもかつては3歳児でした。その時世界のあらゆる物事に初めて触れ、感動した気持ちを忘れないこと。それにより日々の出来事を新鮮に捉え、小さな喜びを見出せるようになります。
③Authenticity(自分に忠実であること)
自分が本当に好きなことに没頭することは人生を幸せにする大切な要素です。彼はNFLで「恐怖の4人組」として恐れられたルーズベルト・グリア選手が見た目に似合わず刺繍の趣味を持ち、本まで出版した例を挙げ、周囲の目を気にせず自分の心に正直になるべきと主張します。


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人生にはリミットがあります。
だからこそ、彼は自分の人生を最高のもの(Awesome)にするため、プラス思考・豊かな感受性・自分自身に素直で正直な態度が必要だと説きます。
これらはどれも基本的ですが、ともすれば忘れてしまいがちで大事な要素です。ぜひ心に留めておきたいと思います。


2 Mar 2012

Message from mother

マザー・テレサの言葉。
本当に心に突き刺さる。