4 Jan 2012

原発のゆくえ


1月3日付朝日新聞にジャレド・ダイヤモンド氏のインタビューが掲載されており、原発問題について彼の見解が述べられていました。

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要旨としては
・現代文明にとって最大の脅威は環境・人口問題(詳しくは彼の著書「文明崩壊」へ)
・人は自分達の力でコントロールできないリスクを過大評価しがちであり、福島の原発事故はその典型例
・放射能が抱えるリスク(環境汚染や人体への影響)よりも、長期的な化石燃料使用によるリスク(大気汚染等)の方が大きい
・従い、文明存続のためには“現実的な”選択をする必要がある

前掲書で人類の文明崩壊の最大の理由として環境問題を指摘してきた彼だからこそ、エネルギー問題全体の中に原発を位置付け、他の化石燃料との比較により原発を擁護している点は理解できます。(もちろん、原発施設の建設場所や数量、事故を見据えた対策については熟考が必要ですが。)

また、震災後4月以降日本のメディアに触れていない私にとっては、福島の原発事故を“リスクが過大評価されがちな事故”の典型例とする彼の冷静な見方には賛成できます。(しかし、もし日本にいて、毎日災害地の映像や被害に苦しむ人々の状況を見ていたとしたら、今と同じ考えを持っていたか?は正直分かりません。それくらい映像メディアから受ける影響は良くも悪くも大きいと考えます。)

海外にいる私ができることはあまりありませんが、今後日本がどう原発及びエネルギー問題に取り組んでいくかは世界からも注目を浴びていますので、政府が市民との対話を通じ賢明な判断を下していくことを願っています。