スタンリー・キューブリック監督作
18世紀ヨーロッパを舞台に主人公バリーの栄枯盛衰を描いた作品。内容は淡々と進んでいき、主人公も他のキューブリック作品に比べインパクトが薄いものの、ラストに出てくる「美しき者も醜い者も今はあの世」という言葉は、観る者に人生の無常観を感じさせます。
何よりの見どころは美しい映像・衣装・音楽と完璧なまでの18世紀の再現で、アカデミー賞の撮影賞、歌曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞を受賞しています。特に有名なのが照明器具を使用しない撮影方法。
野外では自然光、室内ではロウソクの灯だけを使用して撮影、そのためにNASAで宇宙探索用に開発されたレンズを用いたのは有名な話。(さすが完璧主義者キューブリック…!)
その有名な室内撮影のシーンがこちら。美しい…。
また、音楽も映画で使用されているものはほとんどが18世紀に作曲されたバロック音楽という徹底ぶり。
唯一シューベルトの作品のみ19世紀のものであり、これはキューブリックがバロック音楽にはあまりロマンティックなものがないと考えた為だそうです。
以下気に入ったものを紹介します。
George Frideric HandelのSarabande
シューベルトの「ピアノ三重奏曲第2番D929」第2楽章。
Must watch!