29 May 2011

「百年たっても後悔しない仕事のやり方」

ライフネット生命代表取締役社長である、出口治明さん著「百年たっても後悔しない仕事のやり方」を読了。

51HlfzIyioL__SS400_.jpg

出口さんは1972年に日本生命に入社後、ロンドン現地法人社長などを経て同社を退職され、
2008年に岩瀬大輔さんと共にライフネット生命保険を開業されました。
同社は、「どこよりも正直な経営を行い、どこよりもわかりやすく、シンプルで便利で安い商品・サービスの提供を追求する」という理念のもとに設立され、開業3周年を迎えた2011年5月時点で保有契約件数7万件を突破し、各種顧客満足度調査などでも第1位を獲得するなど、急成長を遂げている会社です。

以前ある講演会にて出口さんのお話を伺う機会があり、彼の膨大な読書量に基づく見識の深さ、鋭い洞察力、聴衆を引き付ける語り口に非常に感銘を受けたのを覚えています。

本書では彼のこれまでの仕事のやり方、仕事に対する考え方を纏めた内容となっており、どの世代が読んでも為になる内容だと思います。以下、印象に残った個所を引用。

●「出社前に一時間、新聞を複数紙読んでくるのが社会人だ」
社会人1年目に先輩に言われ、以後40年新聞を複数紙(現在は3紙)を比較しながら読むことが日課になっているそう。
これ、言うは易し行うは難き…。まずは日本の新聞+英字新聞1紙を目標にしたいところ…。

●人との出会いを大切に
・会いたいと思った人にはすぐに会いに行く
・食事やお酒に誘われたら、誰であろうと断らない
・呼ばれたらどこにでも行く
仕事は人間と人間で作り上げるもの、という考えのもと、日本・海外関係なく人と会うことに積極的であったとのこと。誰でも新しい人に会うことは億劫に感じることがあるけれど(特に海外だと)、この基本的な姿勢を貫けるところがすごい。見習わなくては。

●古典の大切さ
『人間がどのように生きて、苦労して、バカなことをやり、社会を作ってきたか』を古典は教えてくれる。
“歴史の中で時代や社会の変化に翻弄されながら生き変わり死に変わりしていく人間について学んで、そこから人が生きていくことの知恵を習得していれば、自分の短い一生での浮き沈みに簡単に負けることはない、ちゃんと遠くを(自分の明日を)見る元気もついてくる”(p.180)
本書ではサラッと綴られていますが、「古典の重要性」は出口さんが何度も強調されている点で、このお話を伺ってから、新著などに目移りがちであった自分の読書習慣を反省、避けがちであった古典も手に取るように。
まだまだ読書量は足りていないものの、実際何か判断に迷った時、歴史上の人物の判断・行動を参照することが増えた気がする。(広田弘毅に比べたら自分の運命なんてちっぽけだなぁ、とか。あ、これは古典じゃないが…)

以上、機会があれば出口さんの講演などに参加されることをおススメしますが、時間がない方などはまずは本書を手に取られてはいかがでしょうか。

22 May 2011

「コンスタンティノープルの陥落」

イスタンブールに来て、まず最初に読み始めたのが塩野七生著「コンスタンティノープルの陥落」歴史の詳細はこちら


330年建設されて以来、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の首都として難攻不落を保っていたが
1453年オスマン帝国の侵略により陥落したコンスタンティノープル(現イスタンブール)。


古くからアジアとヨーロッパを繋ぐ要衝として栄えたこの都市を手に入れるため、約10万ものオスマン帝国軍を率いて総攻撃を仕掛けたのは、当時21歳のメフメット2世。東西の歴史・文化が交錯する世界にも稀有なこの都市の魅力が、この若者に征服への渇望をもたらしたことは想像に難くありません。


1つの都市を手中に収めるというのは、一体どんな気持ちなんでしょう。
ボスポラス海峡を船で渡る度に、この都市の歴史に想いを馳せずにはいられません。
市民の通勤の足ともなるVapur(フェリー)

夕日に浮かぶブルー・モスク