5 Mar 2011

「Lust Caution」

アン・リー監督の「ラスト・コーション」。



第二次世界大戦中、日本軍による事実上の占領下となっていた香港と上海を舞台に、日本の傀儡政権である汪兆銘政権の下で、抗日組織の弾圧を任務とする特務機関員の暗殺計画をめぐって、暗殺を目論む女スパイ(工作員)と、暗殺対象となった特務機関員との間に芽生えた愛情を描いた物語。

張愛玲原作の小説『惘然記』に収められた短編小説「色・戒」を映画化したもので、第64回ヴェネツィア国際映画祭にて、金獅子賞と金オゼッラ賞(撮影賞)を受賞。第44回金馬奨にて最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀主演男優賞(トニー・レオン)を受賞。大胆な性描写が話題となり、アメリカではNC-17指定、日本ではR-18指定、中国では7分間短縮されたバージョンが公開されたとのこと。

本作は性描写が何よりも話題になったけれど、素晴らしいのは約1万人の中からオーディションで本作に起用された主演の湯唯(タン・ウェイ、Tang Wei)。前半では野暮ったい大学生であった彼女が、徐々に妖艶な女性に変貌していく様は素晴らしい。一番の見どころはやはりラストでトニー・レオン演じる易と見つめ合い、彼に危険を悟らせるシーン。この時の表情、本当に観る者を惹きつける。。。